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2025年2月12日

英語教育情報Vol.7

今回は、日本の英語教育に関しての記事です。子供に英語を学ばせる上で参考になる記事だと思います。

日本人の英語力92位の衝撃 課題は受験勉強では体得しにくい「発信力」
国際力の低下懸念、育成は小さい頃から可能か

落ち続ける日本の英語力。受験勉強では体得しにくい発信力が特に課題だ。AERA 2025年2月3日号より。


語学学校を世界展開する企業「EFエデュケーション・ファースト」(本部スイス)が昨年11月に発表した英語圏以外の国・地域の2024年版「英語能力指数」で、日本は過去最低の92位に転落した。
一昨年は87位であったが、さらに五つ下落し、英語力が低い地域(62位から92位)では最下位である。
調査対象は116カ国・地域で、オランダが6年連続で首位を維持。2位はノルウェー、3位はシンガポールである。
日本は韓国やベトナム、インドネシア、中国などを下回り、アジア23カ国・地域でも16位に沈んだ。

この数字は何を示しているのか。
世界的な道徳平和活動MRAや難民を助ける会で活動した初の国際NGO出身の政治家である藤田幸久氏は「週刊NY生活」でこう述べている。
「この〈英語力92位〉が示しているのは、自らの理念を持ち、異なる理念や文化を持つ人と本音のコミュニケーションが取れ、多様でグローバルな思考ができる国民とリーダーを生み出す場を自ら閉ざしている日本の姿です。(中略)国民が自分で考え、行動し、国家が長期的、戦略的な舵取りを担うStatecraft(政治的手腕)の欠如が根底にあると思います。」

意欲と好奇心が重要

思想家の内田樹氏も『サンデー毎日』(2018年3月25日号)に〈東大OBが語る「日本の教育と大学の未来」〉でこう警鐘を鳴らす。
「記事(Foreign Affairs Magazine2016年10月号)は日本の大学に著しく欠けているものとして〈批判的思考〉〈イノベーション〉〈グローバルマインド〉を挙げていました。
記事によれば〈グローバルマインド〉の定義は〈世界各地の人々とともに協働する意欲。探求心、学ぶことへの謙虚さ〉という。問題は英語が話せるかどうかといった技能レベルのことではありません。
ついでに申し上げると、過去30年で英語力も著しく低下しました。(中略)日本の学生に際立って欠けているのは、一言で言えば、自分と価値観も行動規範も違う他者と対面した時に、敬意と好奇心をもって接し、困難なコミュニケーションを立ち上げる意欲と能力だということです」世界に発信するには英語力は不可欠であるが、国際社会で必要な英語力とは何か。作家の水村美苗氏はその著著『日本語が亡びるとき』の中で〈今、まだ多くの日本人の英語に対する関心は「外国人に道を訊かれて英語で答えられる」か否かにとどまる〉と述べ、さらにこう喝破する。
〈日本が必要としているのは、「外国人に道を訊かれて英語で答えられる」人材などではない。日本が必要としているのは、専門家相手の英語の読み書きでこと足りる、学者でさえもない。日本が必要としているのは、世界に向かって、一人の日本人として、英語で意味のある発言ができる人材である。必ずしも日本の利益を代表する必要はなく、場合によっては日本の批判さえすべきだが、一人の日本人として、英語で意味のある発言ができる人材である〉
日本人の発信力の弱さは論文にも表れている。
2020~24年にAIの国際学会に採択された論文約3万本の著者や所属研究機関について日本経済新聞が分析したところ、24年の首位はアメリカの1万4766人。2位が中国の8491人であった。
日本勢は理化学研究所が64位で188人。何と東京大学はさらに下位で71位の171人であった。まったく話にならない数字である。

驚きのプレゼン力

果たして、日本で英語による発信力を育成する教育が小さいころから可能なのか。
筆者は昨年12月、東京・世田谷にある「Global kids英語会」が主催する「2024英語プレゼン大会」第4回を見学した。
小学4年生から高校1年生までの生徒が順に英語でプレゼンを行ったが、正直そのプレゼン力に驚いた。
小学4年生が、蝶を育てる実験、コメ作りの大変さとお米の大切さ、というテーマを英語でプレゼンし、パリに和食レストランを開き、和食を通して日本文化を世界に伝える夢を語った波多野莉乃さん(中1)、パリ五輪女子ボクシングでの男性染色体を持つ選手を巡っての議論からスポーツ界の多様性について語った中村朱里さん(中1)、若者の政治参加と幸福感の関係について語った大島颯真さん(中2)、今こそ東京大空襲の被害の甚大さを伝えるべきと語った高味加依さん(高1)、日本の男女格差の視点から自身の東大進学の意義を語った篠川心音さん(高1)など、大人でも難しいテーマを英語でプレゼンする姿を見て、これが日本のノーム(標準)になるべきだと確信した。
「Global kids英語会」は15年前に生徒数人で始め、今では年長から大学生まで150人ほどの生徒を抱える。
これを運営する株式会社ダイバース・キッズの代表取締役社長の豊田朋子氏は「受験英語は一切やらない」と力説。
その学習成果発表として、年1回、スライドを使用したShow and Tellの本格的なプレゼン大会を開催。
「現況の受験英語だけでは、発信力がつかないばかりか、むしろ英語嫌いを増やすだけです。膨大な時間と費用を費やし、これだけ英語が使えない民族は、世界広しといえど、日本人だけでしょう」

日常茶飯事の光景

筆者はアメリカに20年近く住み、学生生活も日米両方で経験している。
娘もNY生まれでマンハッタンの学校で教育を受けているが、授業でShow and Tellは日常茶飯事の光景である。
これは自分の経験や関心のあるテーマをみんなの前でプレゼンすることであるが、まさに私が見学した英語プレゼン大会で行われたことだ。
さらに生成AIが発達して、DeepL翻訳やGoogle翻訳など機械翻訳があるので、英語はそれほどできなくてもいい、という超楽観主義者もいるが、それは深刻な間違いだ。
普段英語で取材をしている筆者もときどき機械翻訳がどこまで正確か、自然な言語であるかを調べるために使うことがあるが、DeepLでもGoogle翻訳でも“I like dog.”と入力すると、“私は犬が好きです”と出てくるので、話にならない。
犬が好きであることを言う場合は、“I like dogs.”と複数形にしなければならない。
“I like dog.”は〈犬の肉が好き〉という意味である。
これほど単純な英文でも正確に訳せないのだから、機械翻訳を通して出てきた翻訳がどれほど正確で自然な英語であるかを判断するには、ネイティブ並みの英語力が必要である。
皮肉にも機械翻訳があることで、さらに高度な英語力が必要になっているのである。

小さい頃から英語を学ぶメリット

日本人が小さいころから英語をやることにいまだに反対する人がいるが、その理由の一つが日本語という母語をきちんとやってからでないと混乱するというものである。
世界をみるとバイリンガルや3カ国語以上話す人は60~70%くらいいるが、アメリカや日本のようにモノリンガルの国の方が少ないことを日本人は案外知らない。
聴覚の点で言うと豊田氏は「当会では英語圏の子どもたちに読み書きを教えるために開発された『フォニックス教授法』を採用している。
聴覚が柔軟な小学校低学年から始めることで、難しい発音も聞き分けられるようになり、リスニング力も向上する」と言う。
さらに「フォニックスは〈読む〉〈聞く〉〈書く〉〈話す〉の4技能を起動できるソフトのようなもので、それを装備すれば、小学生でも英字新聞の音読が可能です」と自信を見せる。
中高生クラスは、NYでの記者経験もある豊田氏が担当し、時事英語プログラムを実施。
「テーマは小学校低学年では趣味や家族など個人的な経験ですが、学年が上がるにつれ、SDGsや動物保護など社会的なテーマへとシフトする。
中高生になると政治、文学、気候危機、ジェンダーなど多岐にわたる」と語る。
国際舞台でプレゼンする際に欠かせない、ノンバーバル(非言語)表現のトレーニングにも取り組んでいるというから、まさに欧米のノームを日本で実践しているということだ。
それにはジェスチャー、聴衆へのアイコンタクト、声の大きさ、トーンの調整、表情などが含まれる。
私がプレゼンを見学して驚いたのはきれいな発音である。
それは小学校低学年からフォニックスを積み重ねてきたからであろう。
二人の子どもをGlobal kidsで学習させている波多野夫妻に話を伺った。
「仕事で英語のコミュニケーションに困ることも多く、子どもたちにだけはそんな苦労をさせたくないと思い、耳から自然に英語が入るメソッドを持つ、こちらの教室に通わせることにしました」と金融関係に勤める父親の敏之氏(44)は述べる。
母親の麻妃さん(43)も、「とにかく英語を楽しみながら上達できているのが良いと思います。今日のプレゼンでも娘たちの成長を実感できました」とほほ笑んだ。
また東大文IIIの2年生で同スクールの講師を務める万代千尋さん(20)は、「私は小3までシカゴの小学校で過ごしたので、発信力、フォニックスの大切さは、よく理解しています。大学生になり、英語講師のバイトを探しましたが、文法中心の英語塾ばかりで、私の理念に合う塾がGlobal kidsしかありませんでした。ここで教えていると、帰国子女として、日本の英語教育に対してずっと感じていた違和感が吹き飛び、やり甲斐に満ちてきます」と述べる。

大きいシナジー効果

2カ国語を小さいころからやると母語と混乱すると言う専門家もいるが、混乱するどころか実際はシナジー効果の方がはるかに大きい。
豊田氏も「英語は、主体を明確にする言語です。英語発信を通し、自身の考えが明瞭になり、皆、日本語での発表も上達していきます。また、長年、英語教育に関わり、一つ明確なことは、英語発信を獲得するのは、読書をする子たち。第二言語のレベルが母語のそれを超えることはない。結局、英語力の基礎は国語力です」と断言。
一方、現場で最も苦労する点は、羞恥心の壁を破ることだと言う。
「日本の子は、“お口は閉じて、手はお膝”と言って育てられる。英語力以前に、まず、国際標準の発信力のスタートラインに立つこと。普段は物静かでもいいけれど、一旦、自身の考えを表明する際には、気持ちを切り替え、堂々と自己発信できる人間になろうと。グローバル時代を生き抜くのに不可欠なマインドセットです。」

脳と言語の関係

東京大学大学院教授の言語脳科学者である酒井邦嘉氏は『言語の脳科学』(中公新書)で〈英語が得意な人でも、日本語と同じレベルまで話したり聞き取れるようになるのが難しいのは、母語を獲得した結果として、逆に第二言語が獲得しにくくなるためかもしれない。
つまり、脳が日本語のパラメーターを最適とするようにうまく調整されていればいるほど、英語のような違うパラメーターを受けつけにくくなると考えられる〉と述べている。
文法を重視しすぎると、文法に合わせて文を作るので、実際には使われていないかなり不自然な英文ができる。
日本人の英語が理解されにくいのは、日本語から訳したような不自然な英語が多いからだ。
文法についても酒井氏は『チョムスキーと言語脳科学』でこう述べている。
〈脳からすれば、どんな言語が幼少時の環境にあって、母語として獲得されることになるかは分からない。すると脳は自然言語である限りはどんな言語でも、そして複数の言葉でも受容できるようになっていなければならない。言い換えれば、人間の脳は初めから多言語を獲得できるようにデザインされているのだ。それはバイリンガルやトライリンガルの存在はもちろん、多言語地域での第二言語習得の容易さからも示される事実である〉
 何十年も前から「グローバルな人材の育成」という言葉だけが独り歩きしているが、日本の学校で実際に行われていることは、その逆である。
日本人が英語での発信力を身につけるには、Global kidsで行われていることがインターナショナル・スクールのような特別な学校ではなく、普通の学校でのノームになることが必須である。
(ジャーナリスト・大野和基)

コメント:BDでは「英語も話せる子どもの育成が使命」というコンセプトで英語教育をやっています。今回の記事は、共感する部分が多いです。また、幼児期から英語を学ばせることは、将来役に立つスキルとなることを目標にすべきだと思っています。BDの目標はそこに置いています。

BD 代表 石川雅久

 

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